ECの顧客体験をシンプルに考える
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ECの顧客体験をシンプルに考える

Kensuke Hosoya

私は、映画レビューアプリ『Filmarks』を開発・運営する株式会社つみきで、クライアントワーク中心のUIデザイン事業のチームに所属しアプリやWEBの制作ディレクション・情報設計などを主に担当しています。

現在UIデザインチームではECの成長支援サービスに取り組んでいます。
今回の記事ではECの顧客体験について自分なりに考え方をまとめてみました。

はじめに

世の中に数多とあるブランドやプロダクト、それらを販売するオンラインショップがひしめく中で、競合と差別化を図りながら顧客に愛され継続的に成長していくことは決して容易ではありません。そのような状況でECを成長させていくために「顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)」を高めていくことの重要性が多く語られます。
私自身も1人の消費者として、商品を購入した時やサービスを利用した時に「他では味わえない良い体験だったな」と思えるような場面に時々出会います。

「顧客体験価値」とは何か?それを高めるとはどういうことか?ECにおける顧客体験をシンプルに考えて自分なりに整理してみたいと思います。

1. 購買体験の継続性を考える

物を販売する立場で考えた場合、顧客が商品やサービスを頻繁に(あるいは定期的に)買い求める「ファン」「リピーター」になってくれることは、成長の大きな要因となります。

顧客が「ファン」「リピーター」になるというのはどういうことか?顧客の購買行動、思考や感情の動きを可視化するフレームワークにカスタマージャーニーマップがありますが、この記事ではそれより簡易的でシンプルな「サイクル」をベースに考えてみます。

コーヒー豆をECサイトで購入する最小限の行動サイクル

上図はコーヒー豆をECサイトで購入するサイクルの例です。
最小限の行動5つがポイントになっていて「コーヒー豆を売るECサイト」であればここまでは皆ほぼ同じく横並びです。

もしこのサイクルが継続されているとすれば、顧客はそのECサイトのリピーターまたはファンである可能性が高く、さらにこのお店での購入が「習慣化」している状態と考えられます。
また、一度の購入で終わらずに継続している、数あるコーヒー豆のECサイトの中から選ばれているということは「購買体験の中に継続を促す何らかの理由やきっかけがある」と言えるでしょう。

一方で、サイクルの次のステップへ進まずに離脱してしまう場合には、何らかの課題や満たされていないニーズがお店によって様々あると思います。
その課題やニーズを把握することこそが成長への道標になります。


2. 課題やニーズを把握し改善する

1のようにサイクル化していない顧客にとっては、そのお店での購買体験に対して何らかの課題やニーズがあり、それが要因でサイクルから離脱してしまっている可能性があります。サイクル化せず継続されない=リピーターやファンではない、という状態です。

顧客の課題やニーズを把握することが重要

図のサイクルに課題やニーズの例を加えてみました。
これらは一例ですが、コーヒー豆を買うという行動を分解するだけでも、様々な課題を想像することができます。

実際はアンケート、ユーザーインタビュー、ユーザビリティテスト、アクセスログ解析などのユーザー調査を通し、顧客がどのようなところに課題やニーズを持っているか分析をして現状を把握することが重要です。


3. 離脱しやすいポイントを改善する

課題やニーズを把握することができると、それは成長への道標となります。特に、顧客が「離脱しやすいポイント」に着目して、それらを改善するためのアイデアを検討しサイクル化への障壁を減らしていくことが大切です。

離脱ポイントを改善するアイデアや施策

例えば上図は、離脱しやすいポイントに対してそれを改善するアイデアでサイクル化を促すという考え方です。


【課題】自分の好みに合うコーヒー豆があるかわからない
【改善アイデア】ビギナー向けのお試しセットを作り提供する

【課題】もっと上手にコーヒーを淹れたい
【改善アイデア】コーヒーの楽しみ方のコラムなどコンテンツを提供する

これらはあくまで例えですが、商品そのものに関する課題、ECサイトのUIやカートの使いやすさ、お店からの情報提供や対応など、様々な視点から発見される課題があり、それらを改善するアイデアも工夫次第です。
もちろんアイデアによってはコストやリソースが必要になりスピーディに実行できない場合もあります。改善すべき課題を見つけながらそれらに優先順位を設けて、目標やスケジュールなど計画を立てて取り組めるのが理想です。中長期的な改善施策、すぐに着手できる比較的軽めな改善施策、それぞれ整理しながら成長を目指すと良いと考えています。


4. 付加価値を提供する

顧客に愛され購買や利用を続けてもらうには「付加価値」がとても重要です。冒頭でも書いたように、数ある中から顧客があえて選んでいるということはそこには何らかの選ぶに至った理由があり、それが「付加価値」になっていると考えられます。

同じコーヒーでもBで購入する理由がある

ブランドや商品の何が顧客にとって付加価値となるか?は様々あると思います。2と3で説明した課題やニーズを把握することは、付加価値を見出す大きなヒントになり得ると思います。
あくまで例えですが、「同じコーヒー豆だけど、圧倒的にAよりもBのサイトのUI方が使いやすくて購入しやすい」というだけでも、顧客にとっては選ぶ理由になり得ます。

例えば…
・企業やブランドの取り組み、考え方に共感できる
・商品の品質やクオリティが優れている
・ECのカートが使いやすい、決済方法が豊富
・顧客にとってお得なサービスが多い
・顧客とのコミュニケーションを大切にしている
・自分に合いそうな商品をレコメンドしてくれる
・届いたときの梱包やパッケージが素敵
・コラムなど読み物が充実していて商品の楽しみ方を知れる
・ギフト商品が多彩で利用シーンが多い
・全体的にデザインの印象が良い
・SNSで紹介したくなるような商品
など

付加価値がサイクルを強いものにする

ブランドや商品の数だけ答えがあることですが、本来持っている魅力を顧客の視点を理解しながら届けてサイクルをより良い状態にしていくことが大切だと思います。

さいごに

今回ご紹介した内容は、ECを通して物を購入する体験について、できる限りシンプルな視点をスタートとして考えていくために整理したものです。
とは言え、リアル店舗との連動やSNSマーケティングやライブコマースなど、オンラインの購買体験は一言では括りきれない広がりを見せています。絶対的な成功の法則がない領域ですが、良い商品を届けて顧客の豊かな体験につながる取り組みのサポートができると良いと考えています。
読んで頂きましてありがとうございました。

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EC事業の支援サービスに力を入れています!株式会社つみき UIデザイン事業部ではブランドのEC事業を継続的に成長支援する『D2Cデザインパートナーサービス』を提供しています。ぜひ一度お問い合わせください。


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Kensuke Hosoya
Director | UI Design Team | TSUMIKI INC. https://tsumikiinc.com