TSUMIKI UIデザイン事業部
「角打ち」から「ECサイト」「酒屋アプリ」まで、酒屋IMADEYAの成長を支える取り組みとは? 【前編】
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「角打ち」から「ECサイト」「酒屋アプリ」まで、酒屋IMADEYAの成長を支える取り組みとは? 【前編】

TSUMIKI UIデザイン事業部

こんにちは、つみきUIデザイン事業部です!

今回、弊社で「はじめの100本」のECサイトとアプリ(iOS/Android)を担当させていただいたIMADEYAさんにお話を伺いました。

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はじめの100本

「はじめの100本」
今はまだお酒には詳しくないけれど、これから詳しくなりたい!という方のお手伝いをするプロジェクト。お酒初心者におすすめの100本のお酒から、お酒の「性格」とあなたとの「相性」を知ることで、あなた好みのお酒と出会うことができます。

IMADEYAは千葉市に本店を構える酒屋さんです。千葉エキナカ、銀座SIX、錦糸町PARCOにショップを展開。日本酒・ワイン・本格焼酎をはじめとした酒類全般を取り扱っています。2021年8月には、清澄白河に新店舗「いまでや 清澄白河」をオープンしました。

いまでや 清澄白河は「はじめの100本」のECサイトやアプリとコンセプトが連動していて、角打ちスタイルでお酒が飲めるお店です。

今回はIMADEYAのお酒についての考え方や、IMADEYAならではの取り組みなどついて、専務取締役小倉あづささんにお話をお伺いしました。

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株式会社いまでや  専務取締役  小倉あづさ さん


造り手と飲み手に寄り添い「酒の文化」を発信する

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ー IMADEYAさんは価格競争が激しくなった1990年頃から酒文化の発信を軸とした現在のビジネススタイルに舵を切られたということですが、それ以前はどのような業態だったのでしょうか?

小倉さん:当時は瓶ビールがメインで、一緒にお醤油やみりんといった商品を周辺の一般家庭の方々へお届けしているような酒屋でした。そういう商品がまだコンビニエンスストアなどでも売ってない時代で、酒屋は万屋(よろずや)のような存在だったんですよね。味噌や卵があったり、パンがあったり、ナショナルブランドのカップ酒もあったり。お店の近くには大きな工場があって、そこで働く人たちが労働を終えた後に瓶ビールと日本酒を飲む。先代の酒屋はそんなお客さんたちで成り立っていました。

ー 万屋のような存在から、徐々にお酒に特化する方向に向かうことになったんですね。

小倉さん:そうですね。そのころ大型ディスカウントストアが近くにできたんです。それまでうちが配達して届けていた先のお客様がそのディスカウントストアへ行った帰りに自転車の後ろに缶ビールの箱をくくりつけてうちの店の前を通りすぎていく...そんな光景が増えてきて、先代の女将はそれが切なくて悔しくて、というようなことを言っていましたね。1ケース1000円違うわけですからそれはみんなそっちに買いに行きますよね。

ー そうですね、1000円の違いは大きいです。


小倉さん:我々の世代になってからは「じゃあ我々はどこでどういった商売をしていこうか?」と考える中で「価格競争は面白くないよね」と。それに、そもそもお酒がすごく好きだったので魅力的なお酒を全国から色々と仕入れてもっと文化と一緒に発信できる酒屋になれたらいいねということで、そういう方向へ向かい始めました。

ー どのようにして全国のお酒まで広げていったのでしょうか?

小倉さん:全国の地酒は「◯◯ください」という電話1本だけで卸してもらえるものではなくて、酒販店との信頼関係で卸してもらえるんですね。日本酒にしても日本のワインにしても本格焼酎にしても、そういうお酒の造り手たちは家族経営で本当に大事に大事に手造りをしていて、今の言葉で言えば「クラフト感」のあるお酒たちなんです。工場の機械で作られたお酒ではないので、手塩にかけて育てた娘を嫁に出すような思いで酒販店に預けるわけなんですね。
「本当にこの人は自分たちがこれだけ命かけて作ったお酒を大事に扱ってくれるだろうか?売ってくれるだろうか?」という思いを持っている造り手たちとの信頼関係を一つ一つ作っていって、ああやっと卸してもらえた...という感じですごく大変でした。

ー 信頼関係を作ることが大切なんですね。


小倉さん:やっぱりお酒にもいろんな年がありますよね。例えばワインも天候が悪かったから前の年の味とは違ったりとか。でも「だから今年は売らない」ということじゃなく、酒屋という仕事はその年毎の酒の造りや、変化する時代背景も含めて、一緒に造り手と飲み手に寄り添いながら商売をしていく仕事なんです。いい生産者や造り手がいて、我々のような流通がパートナーとして一緒に文化を育てていくようにちゃんとタッグを組めば、この文化は健全に広がっていきますし次の世代にも伝えられる。その循環の中で商売をやらせていただいてるというのが我々の酒屋観です。

ーなるほど。地道に造り手さんの所へ伺って話を重ねる時間がたくさんあったということですね。

小倉さん:はい、今でもそうですね。週に1回産地に行って、朝から晩まで一緒に収穫をしてワインの仕込みを手伝ったり。日本酒やワインは農作物なので、それはもう大変な作業なんですよ。

それとコロナ禍で中断はしているのですが、年1回の社員旅行は日本酒蔵とワイナリーに行って、生産者とディスカッションして作る現場を見る、ということを必ずやっています。

逆境の中で感じたオンライン販売の手応え

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ーECサイトについてのお話をお聞きできればと思います。売り上げ全体に対して実店舗とECの割合はどれぐらいになるのでしょうか?

小倉さん:コロナ禍の前は85%ぐらいが業務用、15%ぐらいが一般消費者売りで、そのうちオンラインは1〜2%ぐらいでした。

やっぱりこのコロナ禍で大きく変わって、業務用の売り上げが縮小して、一般家庭の利用が増えました。オンラインの売上が今年3億、コロナ禍の前から比較すると前々年比で売上が350%に伸びました。
かと言って各店舗の売り上げが落ちたわけではないので、この1年半は外食できない中で「家飲みでちょっといいお酒を飲もう」という、その需要にきちんと応えられたんだろうなと思っています。

ー前々年比350%はすごいですね!

小倉さん:そうなんです!でも、コロナ禍になるまでは、実は私たちはオンラインの販売がすごく苦手だったんです。Face to Faceの商売をずっとやってきたし、手造りの酒蔵さんはオンラインの販売を敬遠していて「オンラインでは売ってほしくない」と言われることもあるんです。だから実店舗で売っているけどオンラインでは売っていない商品が結構あるんですよ。やっぱり顔の見える相手に手渡しでお酒を売ってほしい、そういう業界なんです。


ー とは言え、2020年の春に最初の緊急事態宣言でどこのショップも飲食店もクローズで、当然お酒の市場も動かなくなるわけですよね。


小倉さん:その時、蔵元さんたちも「今の期間だけオンラインでも売っていいよ」とちょっと緩くなったんです。ECで販売するだけじゃなくて、「今はこういう大変な時期だけれど、酒蔵ではこんな活動をしています」と、畑や田んぼの様子や、こうやって作ってますという現場の動画を作ってオンラインで配信したりもしました。

そうしたら逆にこれまでよりリアルな情報を消費者に届けることができて、蔵元さんたちも「あれ、そんな悪くないな」ってみんな思い始めた。今までは「買いに来てください」というスタンスだったのが、人の移動ができない状況の中で、やってみたら「オンライン販売も悪くないぞ」と気付いた業界なんです。コロナ禍がなかったらきっとこの気付きはすごく遅れたと思います。

IMADEYAらしい遊び心のあるお酒体験を届けたい

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ー お店やECサイト、アプリを通して、IMADEYAでどのような体験をして欲しいと考えていますか?

小倉さん:便利さはもちろんですが、IMADEYAらしさを感じていただく世界観、正確な情報と遊びのある面白さを体験していただきたいと思っています。

ー「IMADEYAらしさ」をもう少し具体的に言うと?


小倉さん:言葉にすると「人たらしで、ちょっとおせっかいで、個性的」。IMADEYAにとって個性はすごく大事で、私たちの扱っているお酒でも手造り蔵さんはやっぱりとても個性的なんですよ。だから私たちも個性のあるスタッフが個性のある酒を売る、伝えるという感じで。ちょっと暑苦しいんですよね(笑)。でもそれが、IMADEYAらしさだと思っています。

スタッフみんなが自由に個性を炸裂させていて、だけどそれはお酒への愛、酒づくりのロマンでありたいんですよね。そこを感じて伝えられる集団というのを目指したいんです。そのために、IMADEYAスタッフみんなにも現地へ行ってもらいたいし、連れて行きます。

ー 「はじめの100本」ECサイト・アプリでは、お酒に「繊細」「甘えん坊」といったタグが付いています。味を擬人化して表現されているのがとてもユニークで個性的でした。

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味を擬人化して表現したユニークなタグ

小倉さん:お酒のスペックや専門的なことは今はいくらでもネットで調べられますよね。でも付加価値にぬくもりを感じてもらえて、それが楽しいと思ってくれるような人がIMADEYAのお客さんなのかなと思っています。

タグの件はつみきさんと開発を一緒にやっている中でユーザーが購入したいお酒をどうやって判断するか?ということを考えました。一般的には五味(酸味、苦味、甘味、辛味、塩味)、旨味、とかそういう分け方があるんですが、それはどこでもやっていて面白くないんですよね。もっとなにか遊べるといいし、本当にすごく人っぽいのでお酒は。

例えば日本のワインってどんなイメージがありますか?

ー「真面目」...ですかね...?(笑)

小倉さん:(笑)
海外のワインはしっかりしていて果実も味の輪郭がつかみやすい、日本のワインはなんとなくおとなしめで個性がつかみづらいんだけれども液体の中に奥ゆかしい個性、旨味みたいなものがあるんですよ。

よく例えて言うんですが「マリリン・モンローと吉永小百合、両方いいでしょう?」って。(笑) そういう風にお酒を人物や人のキャラクターに例えて話をすると「確かに!」ってみんなスッと入っていくから、それなら敷居が下がるし遊び心があって楽しいのかなと思いました。

ー 「はじめの100本」はお酒のビギナーやあまりお酒になじみがない若い世代にお酒を楽しんでもらう体験というコンセプトで始められていますが、今後の展開についてもお聞きしたいです。

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いまでや 清澄白河


小倉さん:「一緒に飲む」っていうことがすごく大事だと思っています。お酒の味って最初はわからないじゃないですか。比較をして飲まないと味を覚えていかないので、やっぱりガイドがいた方が良くて、一緒に飲む場や体験を自然に作れるようなことがリアルであってもオンラインであっても大事だと思っています。コロナ禍以前は、IMADEYAのスタッフとお客さんが一緒にお酒を飲むようなイベントもリアルで頻繁にやっていたんですよ。


ー 世代についてはいかがですか?


小倉さん:「はじめの100本」ECやアプリをやってみて、20代も数割はいたのですが、大きく反応があったのが実は大半が30代半ばから40代ぐらいの層の人たちだったんですね。だからもう少し敷居を下げていかないと若い人たちにはリーチできないのかなと思っています。「いいお酒が飲みたい」という欲求を持っている人たちにとっては、「はじめの100本」は結果的にいい敷居の高さになったんだと思うんですよね。クラフト感、農業との密接な関わりの中でできるお酒、そういったことを若い人たちにももっとわかりやすくするためには、さらにもうひと工夫、ふた工夫が必要なんだなっていうのを実感しています。

ー私たちも今後のECやアプリの成長を一緒に考えさせていただければと思います!

小倉さん:ぜひお願いします!

後編はこちら


小倉さんオススメのワインをご紹介

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シャトー勝沼 アジロン

【シャトー勝沼 アジロン】
#温和な #素朴な #繊細な #親しみやすい   etc.

山梨県勝沼で栽培されているブドウ「アジロンダック」が使われているワイン。華やかな香りで、青魚などお刺身との相性が抜群とのことです。IMADEYAのロゴも手掛けている美術家の望月通陽さんの絵がラベルになっています。



お酒のことやお酒業界について綴る小倉さんのコラムもぜひご覧ください!


新店舗「いまでや 清澄白河」オープンに至るきっかけやストーリーは、店舗の大家である小島雄一郎さんのこちらの記事がとても面白いのでぜひ併せてご覧ください。


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